miroは良い意味で、捉えどころのないWebツールと言えます。多人数での創造的な作業の可視化に向いているツールです。
Webツールなのに、ここまでできるの?と思う機能が盛り込まれていて、実によくできていると感じます。
miroは多機能なので、自分が使っている範疇で、このツールの輪郭を表すならば以下の通りです。
- ベクターグラフィックソフトウェア
- プレゼンテーションソフトウェア
- オンラインホワイトボード
- 付せん
- Webキャプチャとスクラップブック
- フローチャート記述ソフトウェア
- ビデオミーティングソフトウェア
そして、これらの機能が、多人数とリアルタイムにオンラインで使えるメリットがあります。
簡単な画面説明
左側には画面内での描画ツールなどのツールボタン類があります。
画面下部には、プレゼンテーションモードでの画面送りや、画面共有の機能など、主に参加者同士のコラボレーションに関係する機能があります。
そして、初期表示のテンプレートが豊富にあることも初期的なとっつきやすさの点では、良いかもしれません。
ただし、見た目上の額縁が初期的に作られるだけで、インタラクティブな仕掛けはほとんどありません。そのため、いろいろなアイデア創出や問題解決のフレームワークを利用してみたいけど、初めから枠線を書くのが面倒という場合の利用になると思います。とは言え、ディスカッションのフレームワークカタログのようになっているので、議論の目的に合いそうなフレームワークを探す際にも便利です。
創造的な用途での使い方
アイデアを書き留める際に、肝心なのは鮮度良く記録できるスピードです。
miroにはスピーディにアイデアを書き留めるツール類が多数そろっています。
アイデアを出すときによく使う代表的なのが「付せん」ですね。
miroではカラフルな「付せん」が簡単に貼れるようになっていて、デジタルツールの良さを生かして、複製や更新も直感的な操作で行えます。
移動することや、矢印を付けたりアイコンを付けたりすることも簡単に行うことができ、工夫次第で使い方が広がります。
グラフィック描画機能は、専門ソフトであるIllustratorやPhotoshopには及びません。Powerpointの方が、塗りや線種が豊富だったりしますが、豊富なアイコンがあらかじめ用意されていて、着想をそれを素早く可視化できる点では、miroに分があります。
操作の直感性とスピーディさは、アイデアを素早く書き留めて、メンバーとアイデアの粘土を練って形を具現化してくかのような感覚があります。
ここでは全ての機能を紹介はしませんが、アイデアを出すためにこの機能は作られたのだなということや、操作の複雑性を感じるところはあえて排除したのだろうな、と思われる開発者の思想を感じます。
多人数のコラボレーションにおいては、操作の複雑さは、時に、操作の未習熟によるアイデア出しのスピード低下にもつながりかねません。そうした考慮があるのだろうと思います。
アイデア出しに実際に使っています
コラボレーションだけでなく、自分自身の思考整理にもよく使います。ぼんやりと考え始めたことをまずは図にしてみると、全体像が見えやすくなることがあります。
手書きのスピードより圧倒的に速く、改変や、再利用も可能で、思考のスピードに操作が追いつきます。
何かをWebで調べたときにその画像やスクリーンショットなども簡単に貼れます。そのため、アイデア出しの前のスクラップブック的な使い方もよく行います。
日本語の扱い
miroは英語圏のツールなので、日本語の取り扱いはすこし弱いところはあります。
表示するフォントは、プルダウンから選べるのですが、日本語フォントは2種類しかありません。しかもほとんど変化がありません。
ボールド(太字)だけは使えますので、それで変化を付けることになります。
PDF化したときにはフォントはさらに減ってどの日本語でも同じフォントになります。ボールドだけは有効です。
補足ですが、PDF化するときには、frameをつくってPDF化する領域を囲う必要があります。そして、高品質PDF出力が可能なのは、有料ユーザーだけになります。
このPDF書き出しですが、以前は中国語フォントに置き換えられてしまったので、違和感がありましたが、最近のアップデートで日本語フォントで出力されるようになりました。また、frameを作る機能も細かな機能がたくさんあり、使いこなすと、miroによってできることが広がる気がします。プレゼンテーションを行うときにも、このframeを用います。
まとめ
miroは、多機能だけれども、アイデアを出して、コラボレーションすることに機能を特化しており、多機能を奥に秘めたシンプルなツールという不思議なツールです。
オンラインによるコラボレーション会議が増えてきた昨今、miroを使うと、対面より創造性が促進される時も多いと感じます。
多人数の使用でも、個人でも、思考整理ツールとしておすすめです。